女性の晩婚化の動きを横目に眺めていた男性ですが、「男性不況」が始まった98年を境に、ついに晩婚化の動きが本格化し始めました。この年は、年収300万円未満の低所得男性が増加に転じた年でもありますので、両者には因果関係があると考えるのが自然でしょう。
そして、07年にはついに男性の初婚年齢が30歳に到達。以降も、上昇を続けています。
一方の女性も、この15年で2歳以上も初婚年齢を上げ、10年の段階では28.8歳まで上昇しています。その昔、「女性はクリスマスケーキと同じで、24までは売れ行きがいいけれど、25を超えると売れなくなる」と言われていたことがありますが、どこ吹く風の勢いで晩婚化が進んでいます。
12年に発表された最新データでは、ついに東京都の女性の初婚年齢が30歳を超えました。
女性の場合、社会進出が進んだことを含め、自らの意思であえて「結婚しない」ことを選択する人が増えたことが、晩婚化の要因となっていることも事実でしょう。しかし、「男性不況」で収入の少ない男性が増えてしまったことが影響を与えているのも間違いなさそうです。
このままでは、結婚しないのが当たり前の社会がやってくる
このように、晩婚化が進んでいる日本ですが、晩婚どころか生涯結婚しない人も急ピッチで増加し、その傾向はこれからますます顕著になると予想されています。
国立社会保障・人口問題研究所が発表している、生涯未婚率の推移を見ると、現段階で、すでに男性の2割、女性の1割が生涯結婚することなく未婚のまま過ごすと予測されています。これが20年後には、男性の3割、女性の2割に拡大すると推測されているのです。
日本は、フランスのように事実婚が認められているわけではないので、婚姻率が下がれば当然、少子化が今以上に進行します。
すると、社会保障財政や経済成長の足を引っ張っている人口減少、少子高齢化に拍車がかかってしまうことになります。
少子高齢化は、そのこと自体が「男性不況」の要因なので、さらに事態を深刻化させるという意味では、マイナスの影響が計り知れないと言わざるをえないのです。(第4回に続く)
編集協力:王地 築(ライター)
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