サンマの町・女川 マイナスからの船出 壊滅的被害を受けた漁港に山積する課題

拡大
縮小

 

東日本大震災による津波で、町並みが消滅するほどの被害を受けた宮城県・女川町。基幹産業である水産業の復興に向け、地元の人々の努力が続いている。

震災前の女川町は本州で一、二を争うサンマ漁で知られていた。サンマの水揚げ量は、1日に1200~1500トンにも達していた。だが、津波によって漁港や魚市場、その後背地に位置する水産加工会社まで壊滅的な被害を受けた。

女川港には震災前、サンマ漁船が10隻以上着岸できたが、地盤が1メートル以上沈下したため、昨年はサンマの漁期が始まる9月時点で2隻を受け入れるのがやっとだった。だが、今年は沈下した漁港が一部復旧し、10月18日から着岸能力は4隻、1日約400トンの水揚げが可能になった。

もちろん水産業は漁船や漁港だけでは成立しない。水揚げされた鮮魚の輸送に必要となる製氷設備、冷凍するための冷凍冷蔵設備、魚を加工・出荷する業者や加工場といったサプライチェーンが必要だ。

比較的復旧が早かったのは製氷設備だ。昨年9月には女川魚市場買受人協同組合が中心となり製氷設備を修理。今年7月には新たな製氷設備が完成し、製氷能力はほぼ震災前の水準に戻った。

次ページ中東から差し伸べられた救いの手
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT