サンマの町・女川 マイナスからの船出

壊滅的被害を受けた漁港に山積する課題

10月20日、東京・日比谷公園で「おながわ秋刀魚収穫祭in日比谷」というイベントが行われた。女川で水揚げされた6万匹のサンマが東京まで運ばれ、女川の水産業関係者やボランティア1300人によって振る舞われた。漁船の着岸さえままならなかった1年前には考えられなかったことだ。

「ようやく市場らしくなってきた」。女川魚市場の加藤實専務は戻ってきた活気に目を細める。港湾や加工場が再建途上であるため、取引金額で見ると震災前水準には到底届かないが、昨年7月の市場再開直後、2社しかなかった買い受け人は、震災前に近い10社ほどまで増えた。

官民協力体制が強み

 女川町では震災直後から、商工会のメンバーを中心とした約50人の民間企業経営者が中心となり「女川町復興連絡協議会」を設立。水産業のサプライチェーン全体の再建を視野に入れたプランを具体的に議論することで、町の再建計画策定を側面から支えてきた。

年内には女川漁港の後背地の一部で土地のカサ上げ工事が完了する予定で、いくつかの加工場建設が可能になる。町役場が設備の共同利用や事業組合を作る動きを後押しする。前述のカタールの支援が女川で実施されたのも、こうした官民の協力体制があったからだ。

今後は設備の復旧と並行して、商品開発やブランド力構築などで女川の独自性を出していけるかがカギを握っている。

 

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