「ほのぼの路線」で活性化図るJR四国の奥深さ 新幹線のない地域で「新幹線のルーツ」を発見

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しかし、貨車から改造したトロッコ列車は認可されなくなり、既存の客車や電車を改造したエアコン完備のトロッコ列車までも登場する始末で、トロッコ列車乱立の様相を呈してきた。

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窓ガラスのない車内には外の風が吹き込み開放的だ

「清流しまんと号」は、デビューから29年を迎えた2013年にデザインをリニューアルした「しまんトロッコ」として再デビューしてからも、それまでのトラ45000形の乗り心地の悪さをそのままに運転されているのはうれしい限りである。

「この新しい色はこれまでの四万十川のイメージとは違っているのが残念」と、黄色い派手な色彩の新トロッコ列車の自然との調和にとまどいを見せる地元の人もいたが、確実に乗客を増やしていることも事実。久しぶりに四万十の流れをみて、乗り心地「最悪」のトロッコ列車の旅を満喫したのであった。

0系がローカル線に!?

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0系をイメージした「鉄道ホビートレイン」

2014年にJR予土線の全線開通40周年記念列車として登場したのが、キハ32形ディーゼルカーを改造した「鉄道ホビートレイン」だ。

外観は初代新幹線0系車両をデザインしたもので、先頭車の一方には0系の団子鼻や、排障器のスカート部分を立体的にデザインされている。車内にも0系の古い転換式座席が設置され、かつて四国で走ってきた車両が模型で展示されるなど、遊び心たっぷりの列車となっている。

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車内には0系で使われていた転換式座席が並ぶ

宇和島駅から試乗した新幹線大好きの筆者は、その姿を見るなり「心地よい衝撃」を感じたほどだ。この最前列で団子鼻カバー越しに車窓風景を見るのもいいし、転換シートでローカル線の旅を楽しむのもまた良しといったところだ。

この珍しい列車は定期列車として運行され、普通乗車券で気軽に乗ることができる。時刻表で運行列車を確認して、一度乗車してみることをお勧めしたい。

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