「ほのぼの路線」で活性化図るJR四国の奥深さ 新幹線のない地域で「新幹線のルーツ」を発見
この春は北海道新幹線開業、北陸新幹線開業1周年、京都鉄道博物館グランドオープンと、華やかな鉄道イベントが繰り広げられた。だが、その陰で独自の活性化戦略を進める鉄道会社があることも知ってほしい。
その鉄道会社は、JR旅客6社で唯一「新幹線」を運行していないJR四国。同社では在来線、とりわけローカル線を中心にユニークな列車を展開するなど、集客、鉄道の活性化に地道に努力している。その現状を取材してみると、思わぬところに「もうひとつの新幹線のルーツ」が見えてきた。
元祖トロッコ列車のスゴい乗り心地
国鉄時代の1984(昭和59)年に、ローカル線の存続と活性化を願って、画期的ともいえる取り組みが行われた。国鉄初の無蓋(むがい)貨車トラ45000形を改造した元祖トロッコ車両「清流しまんと号」が予土線に誕生したのだ。
筆者はまだ国鉄時代のころに一度乗車したが、その乗り心地には絶句した。直接レールを叩く車輪の音が尻に響き、大きく揺れる。とにかく乗り心地が悪いのだ。貨物を運ぶ二輪台車の簡易貨車なのだから無理もないが、その乗り心地の悪さが大いにウケた。
その後、JR民営化後には「清流しまんと号」の人気にあやかり、JR各社、民鉄までもが雨後のタケノコのように競ってトロッコ列車を走らせた。トロッコ列車は鉄道活性化にとって、定番の切り札となったのだ。
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