日経平均は上値のフシ9300円突破も 【今週の相場&注目銘柄】

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19日の東京株式市場は、日経平均株価が前週末終値と比べて129円04銭高の9153円20銭と4日続伸。TOPIXも同10.82ポイント高の762.16と、こちらは3日続伸して引けた。

前週末16日の米国株式市場は、「財政の崖」回避に向けた議論の進展が期待されて、NYダウは45ドル93セント高の1万2588ドル31セントで終えた。NASDAQも16.19ポイント高の2853.13と反発した。とはいえ、NYダウは26週移動平均線を割り込み、同線からの下方乖離率は3.3%に達している。これは欧州危機が深刻化した今年5月最終週の下方乖離率4.7%に次ぐ水準であり、米国株の状況は厳しい。

一方、政権交代期待で先週後半から“独歩高”の様相を呈してきた日本株は絶好調。本日の東京市場の朝方の外国系証券経由の注文では、買い2000万株に対し売り1130万株と7日連続の買い越しとなった。日経平均株価は終始高値圏で推移し、13時41分には159円30銭高の9183円46銭をつける場面もあった。東証1部概算の売買高は20億1395万株、売買代金は1兆2168億円と先週末の流れを引き継いで活況だった。

東証1部の値上がり銘柄数は1355(全体の80.3%)、値下がり数は235(同13.9%)。変わらずは94銘柄だった。東証33業種別では、値上がりはガス(4.04%上昇)、石油(3.54%)など32業種でほぼ全面高。値下がりは、金属(0.21%安)のみだった。

東証1部の個別銘柄では、アイロムホールディングス(2372)が23.21%上昇(終値ベース前週末比)で上昇率トップ。次いで、ランドビジネス(8944)が同22.95%上昇、岩崎電気(6924)も19.51%上昇した。

会員向けの『株式ウイークリー』誌最新号(11月19日配信号)掲載の6銘柄の中では、本日、サムティ(3244)が前週末終値から一時3300円高の4万2200円(8.2%上昇)となった。

 日経平均株価は、軟調な米国株、中国株の動向をものともせずに、9月高値の9300円水準に急接近してきた。いったんはこの辺りで押し返されると考えるのが普通だが、出来高も膨らんで勢いがついているだけに一気に突破する可能性も残されている。突破すればサプライズ感が強いだけに、上昇スピードに加速がつくだろう。安易なカラ売りはリスクが高そうだ。

 

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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