「本当のお金持ち」は家の買い方にムダがない マイホーム、不動産投資、別荘購入の哲学
2020年のオリンピックに向けた需要や、円安の影響で海外投資家の目が向いているという側面もあるでしょう。実際、私の知り合いのシンガポールの大富豪と1年ほど前に東京で再会したとき「日本はまるでバーゲンセール中だな」と言われました。ただ、そのような短期的な需要がなくても、東京の市場は構造的に下がりにくいのです。「需要があって値下がりしにくいのであれば、多少高くても買う」というのが大富豪の考え方です。
不動産投資は攻めと守りの二度おいしい
不動産投資は手堅い運用方法ですが、同時に税制上のメリットも多くあります。
① 所得税を減らすことができる
固定資産である上物(建物)の価値は、実勢価格とは関係なく国の定めによって毎年減価償却されていきます(評価額が下がるということ)。
つまり、実際には売却していないので何も損はしていないにもかかわらず、減価償却された分は「損金」として計上でき、確定申告に反映させることができます。仮に所得が1000万円の人が所有する不動産の評価額が100万円減価償却されたら、1000万から100万を差し引いた900万をその年の所得として申請できます。課税対象が減るので、当然支払う税金は減ります。
② 短期間で資産の圧縮ができる
「路線価」という言葉を聞いたことがあると思います。国税庁が定めた各土地の平米単価のことで、実際の市場価格よりも安く設定されています。市場価格の約7掛け程度です。もし1億円で土地を買うと路線価は7000万円。相続税はこの7掛けされた路線価にかかります。つまり1億円の現金を土地に変えるだけで、資産を3割圧縮できるのです。
資産家が晩年に土地を買い漁る大きな理由はここです。もちろんこの行為は合法で、路線価が実勢価格より低く設定されているのは「土地は売りたいと思っても簡単に売れるものではないので、その流動性の低さから多少価値は下がるだろう」という国側の配慮です。実際そのとおりで、土地は買い手がすぐ見つかるわけではないので十分考慮する必要があります。
また先ほど上物の減価償却の話をしたとおり、建物の評価額も年数が経過するにつれ下がっていきます。相続税は建物にも当然かかりますが、その際も実勢価格ではなく減価償却後の固定資産評価額に対して課税をしますから、こちらでも資産が圧縮できるのです。
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