若い女性がいない!韓国「地方消滅」の実態 全262自治体のうち80自治体が消滅リスク

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20~39歳の女性人口が人口全体の10%に満たない地域は、2004年の6カ所から2015年には78カ所へ増加した。慶尚北・南道、全羅南道地域が特に若い女性の比率が低い。慶尚北道義城郡は人口全体に占める20~39歳の女性人口の割合が6.2%と最も小さかった。次は同軍威郡の6.6%、全羅南道高興郡6.6%、慶尚南道南海郡6.7%となった。反対に、20~39歳の女性人口の割合が最も大きかったのはソウル市冠岳(クァンアク)区で18.2%(9万1093人)だ。次は同麻浦(マポ)区の17.8%、同広津(クァンジン)区17.3%、同江南(カンナム)区17%と続く。

結果的に、20~39歳の女性人口の割合が10%未満で、かつ65歳以上の人口の割合が20%を超える場所は80カ所。自治体10カ所のうち3カ所が消滅する危険性がとても高いことになる。特に若い女性の人口が最も少なかった20カ所を見ると、20~39歳の女性人口の割合が6.2~7.8%に過ぎず、一方、65歳以上の人口の割合が30%を超えている。

5年間で1万人減った自治体も

消滅する危険性が最も高かった自治体は、慶尚北道義城郡だ。同郡は65歳以上の人口に対し、20~39歳の女性人口の相対比重が0.17にとどまった。同郡庁によれば、今年1~2月に41人が生まれ、143人が死亡した。人口もいち早く減少している。「義城統計年報」によれば、1995年に8万6000だった人口は、2005年に6万4930に減り、昨年には5万4380(登録人口基準)にまで減少した。次に消滅危険性の高い全羅南道高興郡は、65歳以上の人口割合が36.7%と全国で最も高い。

軍威郡、南海郡、陜川郡、慶尚北道英陽(ヨンヤン)、全羅南道新安(シンアン)郡なども消滅危険性が高い地域だ。一方、水原市霊通区は全国20~39歳の女性人口の割合が最も高いことがわかった。同区の人口33万4000のうち、65歳以上の人口比率は5.4%、20~39歳の女性人口のそれは16.6%だ。次は、慶尚南道昌原市城山区で、20~39歳の女性人口の比率は14%だった。

この10年間の人口変動を見ると、若い女性がどういった地域を好むかがはっきりとわかる。この10年間、20~39歳の女性人口増加率が最も高い地域は京畿道華城(ファソン)市で86.2%に達した。次は釜山市機張(キジャン)郡の57.1%だ。世宗(セジョン)市の52.6%と京畿道烏山(オサン)市44.6%、同坡州市43.7%、大田市儒城区34.8%、京畿道金浦(キムポ)市32.9%なども、若い女性が大きく増えた都市だ。

これらの都市にはどのような特徴があるのだろうか。

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