55万部!「翔んで埼玉」がバカ売れした理由 30年前の復刻マンガが、なぜ爆発したのか
なお、購入者の男女比は、男性が35%、女性が65%と、圧倒的に女性が多い。いちばん多い購入者年代は「40代女性」(24%)だ。
『翔んで埼玉』の判型(本のサイズ)は、通常のコミックに比べて、2まわりほど大きい「A5判」で、今はやりの「コミックエッセイ」本と同じサイズである。もしや、女性ウケを狙ってこのサイズに? 「いえ……たまたま白泉社で出していたサイズがA5だったので(笑)。でもそうですね、コミックエッセイコーナーにも置かれていますね」(薗部氏)。
コミックエッセイコーナーに置かれることで、マンガファン以外の層も取り込めたのだろう。
埼玉県出身の著名人に本を送ったが……
初版20万部からわずか3カ月で55万部とは、さぞかしすごい販促活動を行ったのだろうか。
神木隆之介さんやAKB48小嶋陽菜さんなど、埼玉県出身の著名人は多い。埼玉県に縁のある著名人には本を送ったというが、実は、それが功を奏した印象はないと薗部さんは言う。
ただ、こういうことがあった。
「アンジュルムというハロープロジェクトのアイドルと仕事させていただいたときに、本をあげたんですよ。そしたらいつのまにか、モーニング娘。のメンバーの方が読んだと、ツイッターに書かれていることがありました。楽屋に置いてあったのを読んだそうです。関係あるのかもしれませんね」(薗部氏)。
本を送った人が直接ツイッターなどのSNSで書いたわけではないが、回り回って読んだ人がネットに書いたという印象を受けるという。そうしてじわじわとネットで口コミが広まっていった。
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