海外で赤字続くも大和証券は業績回復歩調 日航の再上場案件手掛ける

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大和証券グループ本社の収益力が安定性を取り戻しつつある。コスト削減効果を背景に2013年3月期9月中間決算(12年4~9月期)は、営業収益1134億円(第1四半期比0.4%減)、営業利益63億円(同49%増益)、純利益73億円 (同2.7倍)となった。

直近の第2四半期における目玉は日本航空の再上場に際し、単独グローバル・コーディネーターを務めたことだ。この案件が収益に寄与した。同四半期の「引受け・売出」関連手数料収益は125億円だったが、このうち、日本航空案件の収益は約55億円と大部分を占めたと言う。

一方、懸案事項である海外部門の収益建て直しは途上にとどまった。具体的には、米州は経常損益で3億円とわずかながらも黒字転換したものの、欧州は6億円の損失、アジア・オセアニアも17億円の損失であり、依然として、大和のボトルネックとなっている。とはいえ、海外を主体とする総額600億円のコスト削減の効果が発揮されているのは事実であり、損失継続とはいうものの、その額は縮小してきている。

「今期中の損益分岐点超えはむずかしいが、来(14年3月)期には実現できる」。岩本信之副社長がこういうように、市場環境次第ではあるものの、来期には一段の回復期待が抱ける余地が広がってきたようだ。

(撮影:吉野 純治)

浪川 攻 金融ジャーナリスト

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なみかわ おさむ / Osamu Namikawa

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカー勤務を経て記者となる。金融専門誌、証券業界紙を経験し、1987年、株式会社きんざいに入社。『週刊金融財政事情』編集部でデスクを務める。1996年に退社後、金融分野を中心に取材・執筆。月刊誌『Voice』の編集・記者、1998年に東洋経済新報社と記者契約を結び、2016年にフリー。著書に『金融自壊――歴史は繰り返すのか』『前川春雄『奴雁』の哲学』(東洋経済新報社)、『銀行員は生き残れるのか』(悟空出版)などがある。

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