新入社員向けの研修で講師をする機会が今年も何回かありました。人手不足もあってでしょうか。どの会社も例年より採用数が多く、大きな会場を手配したり、2回に分けて開催したりと準備は大変そうです。
仲が良すぎる新入社員たち
そんな活況を呈している導入研修で今年の新入社員の言動や行動に注目してみると、この10年で変化を感じることがあります。たとえば、新卒同士で「仲が良い」こと。どれくらい仲がよいのかと尋ねてみると、内定者時代から飲み会やイベントで親睦を深めたり、入社後にはお互いの悩みを打ち明けて励まし合うなどほほえましい話を教えてくれます。すでに会社の水に合わないと退職を考えた同期に対して「みんなで頑張ろうよ」声をかけあって、元気を取り戻した……との美談を聞くこともありました。
当方の新入社員時代なら「こいつらには負けたくない」と闘争心をむき出しにしている奴もいました。それと比較すれば隔世の感があるように思えて仕方ありません。ただ、そう感じるのは筆者だけではないようで、この仲のよさを人事部や先輩社員はどのように感じているか、取材してみると、
「仲が良すぎるのも問題。ライバル意識をもって、切磋琢磨する時期だと思うのですが……」
と危惧する声を聞くことも。横並び意識が成長を阻害すると感じているのでしょう。確かに同期組が横並びでいられるのはいつまでか? 誰かが頭ひとつ抜け出て、そのうち大きく違う立場になるまでそう時間はかからない時代になりつつあります。横並びで仲良くしていられる時間はわずか。会社がすぐ振り分けを始める状況を理解しているのでしょうか?
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