フェイスブックが狙うスマホの次に来る技術 なぜそこまで安価なネット接続にこだわる?
ザッカーバーグは、いわゆるオープンソースの概念を採用してきた。そうすることで、アマゾンやグーグルといった企業の巨大なコンピューター・ネットワークに追い付いてきたのだ。
一般的に、オープンソースとはソースコードを公開することを指し、それによって複数の企業や人々が一緒になって、従来型テクノロジー製品の何分の一かのコストで開発を行うことをも意味する。オープンソースの技術は、たとえばグーグルのアンドロイドOSやウェブのブラウザなど、あらゆるものの中に見つかる。
フェイスブックのような企業は、よくオープンソースのプロジェクトに参加する。なぜなら、彼らは製品を売っておカネを稼いでいるのではないからだ。彼らはサービスを提供しており、それを行うために製品を購入しなければならない。そのコストを下げ続ければ、利益にプラスとなる。
オープンソースのインパクト
こうした考え方はシンプルなようだが、そのインパクトは劇的だ。たとえば、サン・マイクロシステムズは、同社のコンピューター・サーバーとワークステーションが売れていたため、2000年には1100億ドルの価値があった。しかし、その10年後、同社は74億ドルで売却された。サンはオープンソースのリナックスとの競争に敗れたのだ。現在、フェイスブックの多くのサーバーでもリナックスが使われている。
フェイスブックのバイスプレジデントで、エンジニアリングを担当するジェイ・パリークは、「我が社のルールは、10倍速いか、10倍安い、あるいはその両方であるかのいずれかだ」と話す。「我々はすべてのエンドユーザーがフェイスブックのすべてを活用できるようにしたいと考えている。それが動画であっても、やがてはバーチャルリアリティであってもだ」。
大手テレコミュニケーション企業も対応を急いでいる。フィンランドのノキアは、フェイスブックとともに「テレコム・インフラ・プロジェクト(TIP)」を発表した。同プロジェクトは、テレコミュニケーションのコスト削減に取り組むもので、フェイスブックの主導により行われる。シスコシステムズは、TIPにソフトウェアを提供する意向だ。世界の巨大なテレコム・システム全体で活用されることで、利益を得たいと願っているのだ。