TDLを抜いたUSJ、いったい何を変えたのか

「ハリポタ」だけが来客増の理由ではない!

2001年に華々しくオープンしたUSJは、初年度こそ1100万人を集客したものの、以降は集客が激減しました。2004年には事実上の経営破綻に追い込まれています。米国ユニバーサルからグレン・ガンペルが社長として招かれて経営の立て直しはしたものの、集客はジリ貧の状態が続いていました。

ガンペル社長が私に声をかけてくださったのは、2010年のことです。当時の私は米P&G本社でシャンプーなど日用品のマーケティングをしていました。そこでの実績がヘッドハンター経由で耳に入ったようです。エンターテイメントビジネスは未知の世界だったので少し戸惑いもありました。しかし私自身、テーマパークは大好きでしたし、マーケターとして自分の力を試してみたいという思いもあり、飛び込むことにしました。

震災で日本全体が自粛モードになった

2016年3月18日に開業15周年を迎えたユニバーサル・スタジオ・ジャパン

USJでの最初の大きな仕事は、2011年の開業10周年イベントでした。入念に準備を進め、万全のスタートを切ったと思った矢先、東日本大震災が起きました。「テーマパークどころではない」という空気が列島を襲い、パークには閑古鳥が鳴くようになったのです。

「このままでは倒産してしまう」。危機感を募らせた私は、社内の反対を押し切って大胆な策を打ち出しました。「関西から日本を元気に」を旗印に、関西の子供は入場無料とする「キッズ・フリープログラム」を実施したのです。すると見事に潮目が変わりました。離れていったお客様を呼び戻すことができたのです。

2011年といえば思い出深いのは、「ハロウィーン・ホラー・ナイト」です。今でこそハロウィーンは日本中が楽しむイベントとなっていますが、当時はそれほど知られていませんでした。USJではハロウィーンパレードを行っていましたが、イベント単体としては赤字だったほどです。

しかし私は数学的な分析で、10月に大きな伸び代があることを確信しました。ターゲットは若い女性です。「ハロウィーンをもっと深掘りすべきだ」と私のマーケティング脳がささやいたのです。

そこで何を行ったのか?

次ページハロウィーンを成功させた秘訣
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