米大統領選も生放送!ニコニコと政治の相性 政党総まくり番組が好評

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1日当たり約1億0200万のページビュー(PV)を集め、約2800万人の会員を持つニコニコ。コンテンツはエンターテイメントなイメージが先行するが、無料の動画放送は政治という堅いテーマとの親和性も強い。

実はニコニコは2008年から政治家の公式チャンネルを展開している。政治家によるニコニコの活用が一般に広く知られるようになったのは、10年11月、それまで一切メディアに登場しなくなった小沢一郎氏がニコニコで単独会見し、それを大手メディアが取り上げたのがきっかけだ。小沢氏が出演した生放送には、1時間で約22万人のユーザーが集まった。今年9月の「12時間ぶっ続け まるナマ自民党」も、約30万人のユーザーが番組を視聴した。

ドワンゴにとってニコニコの政治番組で視聴者を集めることは、認知度やブランドイメージ向上につながる。政治番組は会員登録なしで視聴できるケースが多く、月額525円の有料会員の登録数拡大を主要な狙いとはしていないようだ。

政治家のメリットと覚悟

政治家にとってもニコニコの活用はメリットがある。1回の番組で、街頭演説よりもはるかに多くの国民や有権者に呼びかけられ、コメントの書き込みなど直接的な反響も得られる。「一方的なPRよりも効果がある。ただ、その分覚悟がいる」と話す政治家もいるという。

政治家が自分の声を国民や有権者に伝えるには、テレビや新聞、雑誌など既存のメディアを活用するのが従来の主流だった。しかし、インターネットの普及により多様なコミュニケーションツールが登場する中で、これまでどおりのやり方には死角や盲点も生まれている可能性がある。ニコニコと政治。既存の枠組みを壊す新たな流れが生まれつつあるのかもしれない。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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