人望を得る上司は「正しいおせっかい」を焼く ANA社員の口ぐせは「あれっ、大丈夫?」

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気づいたことがあれば、即伝える。これはANAの「おせっかい文化」の現れであり、仕事や人間関係をスムーズにする「気づかい」でもあります。

自分自身のことだけに注意を払うのでなく、仕事を一緒にする仲間のことにも注意を払い、そして気づいたことがあれば口に出して言う。そうすることで、運航の安全性をより高めることができる。お客様へのサービスの質をより高めることができる。チーム全体としての力を高めることができる――それらが結果的に、個人の成果にもつながるのです。

相手を思いやる伝え方の工夫

おせっかいを焼くときには、相手への言葉の伝え方に気をつかう必要があります。特に指示や注意をするときは、相手を思いやることが大切です。CAの例で説明しましょう。

人の第一印象は最初の15秒で決まると言われています。お客様は、飛行機に搭乗した瞬間に目に入ったCAの第一印象で「今日のクルーは明るいな」「険しい顔つきだな。今日は揺れるのかな、怖いな」「優しそうだからでなんでもお願いできるかな」とその便の全体の印象を感じます。ひいてはそれがANAグループの印象となっていくのです。

目から入ってくる情報が第一印象を大きく左右します。だからCAはお会いした方に、ANAグループのイメージである「あんしん、あったか、あかるく元気!」な印象をもってもらえるよう、身だしなみや表情に気を配ります。

その日にチームを組んだフライトクルー同士も第一印象でお互いを意識しあうところから始まります。

「疲れているのかな。口紅の色が薄いからそう思うのかな」
「スカーフがきれいに結べていて華やかだな」
「暗い感じがするのは前髪が顔に多くかかっているからかな」

 

CAの身だしなみには細かい基準があり、その基準を下回るような装いは認められません。お客様の前に出るまでに、必ず修正することが求められます。

とはいえ、「見た目」のこととなると、後輩から先輩に対してはもちろん、先輩から後輩に指摘をする場合でも、なかなか難しいものです。

「相手は基準に沿っている、似合っていると思っているのかも。もしかしたら私だけがそう思うのかも……」と相手のことを思えば思うほど伝えづらくなります。

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