武器としてのコミュニケーション〔その2〕

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さて、コミュニケーションの目的は成果を上げる=いい仕事をすることです。とすれば、いい仕事をするとは? 上司が期待する「議事録のまとめ」に仕上げるためのコミュニケーションをしなければなりません。つまり大切なことは、上司が期待している成果物に近づけるために依頼内容の「確認」をすることではないでしょうか?

その確認が詳細であればあるほど「いい仕事」に近づきます。ですから正解は②です。

では、他の回答はダメなのかというと、そうではありません。たとえば議事録のフォルダーを作るといった提案をすることは、次回以降のために効果的です。ただ、今回の仕事コミュニケーションの最大の目的である「いい議事録に仕上げる」ために、②は絶対に不可欠な対処なのです。逆に、いい議事録を作成するために聞くべき内容は聞き逃してはなりません。

「社長からの冒頭のコメントは書いておいたほうがいいか?」
「次回の会議への積み残し課題はどうするか?」

など、気になったら上司から少々嫌な顔をされても聞くべきです。いい仕事をするためには妥協は禁物です。下手に大体の状態でコミュニケーションを終了させて、実際に仕上がった議事録が期待に応えられないものだと、

「何でもっとしっかりと確認しないのだ」

と、叱られたり、がっかりされて損をすることになります。自分のためにコミュニケーションの質を上げる努力は惜しまないようにしましょう。

最後に。このケースで、忙しい状況でも上司の期待に沿う成果物を作るために、上司と対話したほうがいい内容を紹介しましょう。議事録の枚数に加えて

①そもそも、まとめる目的(何に使うのか?)
  ②押さえておきたいテーマ

など、事前に確認しておかないと上司の期待とずれてしまう可能性があります。それを最後にお互い確認し合いながらチェックすれば、上司から「こんなまとめ方は期待していなかったよ」などと、お叱りを受けることはなくなることでしょう。


 

 

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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