医療は過度に規制を緩めるべきではない 横倉義武 日本医師会長

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──自民党を評価している部分はありますか。

自民党の政治のよさは、最終的に総務会で決めたら、決定にはみんな従うという政策の決定過程にある。さらに、実際にそれを行政に行わせる力もあり、そこは尊重すべきだ。

── 一方で、民主党の3年間をどう評価しますか。

社会保障を大事にする政策を採ったことは事実。一時は医療崩壊といわれるほど厳しい状況だったが、少しは改善され、そこは評価できる。しかし東日本大震災後の過程を見ると、決定すべきことは決定し、もう少しスピード感ある行政を指導してほしかったという思いはある。社会保障政策や医療政策は本来、政党間であまり違いがあってはならないと思っている。どの政党が政権を担っても、われわれは国民医療を守るための話をしていく。

──安倍晋三総裁が誕生しました。医療界にとっての影響は?

安倍総裁は10年ほど前に厚生労働部会長を務め、厚生労働分野に精通している。何度かお話ししたことがあるが、公的医療保険の維持は必要だと考えている方だ。ご本人も難病で首相を辞めなくてはならなくなったが、よい薬が出てそれを克服して立ち直ったという経験があり、医療や社会保障については十分な理解があると思う。また難病で苦しんでいる方にとって、医学や医術の発達による病気の克服は希望を与えることになったのではないか。

(撮影:吉野純治 週刊東洋経済2012年10月20日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


よこくら・よしたけ
1944年生まれ。69年久留米大医学部卒。同大医学部講師などを経て、90年に医療法人弘恵会ヨコクラ病院長。現在、同病院理事長。

 

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