日本人俳優が「超速」で英語を習得できるワケ 秘訣は、超「目的」志向だった!
さらに、英語中級者におすすめしたいのが、英語のショートストーリーや短編小説、日本の小説の対訳本などです。おすすめは『こころの音読』(講談社インターナショナル、斎藤兆史 / 著)です。
さて、俳優には台本がありますが、英語を学ぶみなさんの日常会話には、台本はありません。台本がないのに英語を使って話さなければならない、ゼロベースで発想して瞬時に英語をアウトプットすることは、よく考えたらヘヴィな作業です。
そこで、みなさんも俳優と同じように台本を持つことをおすすめします。何かあったときは自分の台本に戻って練習をすればいいのです。何を話すべきなのかを記しておくので、台本というよりネタ帳でしょうか。いざ英語で話さなければならない場面では、ネタ帳の内容を見たり思い出して話すのです。
ビジネスシーンで英語を使うなら、プレゼンや交渉用の自分なりの言い回しを書き出して覚えます。旅行英語なら自分の旅行英語用の言い回しを覚えます。
いちばん幅広くネタを持っていたいのが「自分のこと」を語る英語です。コミュニケーションの第一歩は自己紹介から、とくに海外では組織より個人が重視される傾向にありますので、自分を表現することは大切です。
会話をするときの決め手は、動詞です。
例えば、好きな食べ物について語るとき、日本語では「私の好物は~」と主語、目的語、動詞の順の「S+O+V」構文なので、それにならうと英語もMy favorite food is~と言いがちです。それでもいいのですが、I like hamburgsteak. I like spaghetti. I like sushi. など動詞のlikeを使ったほうがシンプルにいろいろなことが言いやすいと思います。趣味を語るにも、I like music. I like DIY. I like traveling. などlikeで対応できます。
ほかに自分の仕事について語るとき、「My job is ~」とこれも「S+V+O」で言いたくなりますが、動詞のworkを使えばシンプルです。「I work for ~(勤務先)」でいいのです。
動詞がわかると、話の重要ポイントが理解できます。
俳優へのレッスンでは、セリフ中の一般動詞を強調して読んでもらい、登場人物の気持ちが、動詞だけでも理解できるか、チェックしてもらうこともあります。
相手が話す内容がわからないときの3つの対処法
「でも、英語を話すのはなんとかなっても、困るのは聞くとき」
「知っている単語と言い回しで、ある程度意思を伝えることはできても、相手が何を話しているかわからない」
そんな声を耳にします。自分が話す分にはいいのですが、相手が英語で返してくると、混乱してしまうのでしょう。そういうときは、次の3つを心がけてください。
どれも単純なことでしょう。でも、英語が苦手と感じている人には、この3つを実践することが苦手意識から抜け出すための近道なのです。