日本人俳優が「超速」で英語を習得できるワケ 秘訣は、超「目的」志向だった!
いずれも難しい言葉ではありません。
「あなたのトークをしっかりキャッチしています」というメッセージとして、これら受け答えのセリフは重要です。
英語にも同じように相手のトークをキャッチしていることを伝える言い回しがあります。
会話はキャッチボールなのですから、相手からあまり視線をそらさないで、
I just can’t quite remember the word, but...(ちょっと思い出せないのですが)
How do you say... in English?(英語だと何と言うのでしょうか?)
I don’t know how to say it in English, but...(何と言っていいのかわからないのですが)
などのフレーズを使って、英語でうまく言えないことを伝えればいいのです。
文法が間違っていても気持ちは伝わる
それに、文法的には少しおかしな英語でも、いちばん伝えたいことは何かをはっきりさせておけば、大切なことは伝わるものです。
スティーブン・スピルバーグ監督の名作SFファンタジー『E.T.』(1982年)の中で、私(塩屋)が好きなシーンがあります。
エリオット少年の家にかくまわれていた異星人のE.T.は、テレビを見たり英語学習機を操作しているうちに地球の言葉である英語を覚えていきます。そして、エリオット少年に初めて話しかけるシーンがあります。
E. T. home phone...(E. T. 、オウチ、デンワ)
3つの単語を口にして、少年を驚かせます。
「オウチ、電話? キミは家に帰りたいんだね?」と意思の疎通を図ることができたシーン。
正しい英語で言うなら I’d like to call... などとするべきですが、E.T.は覚えたての単語を3つ並べるだけで意思を伝えます。つたない英語ですが、観客はものすごく感動してしまう場面です。
極論すると、外国人とコミュニケーションするときにセンテンス(文章)にする必要はありません。的確な単語だけで意思の疎通は可能です。言いたいこと、伝えたいことが明確に伝えられるひと言が見つかれば、文章になっていなくてもよいのです。
丁寧に文章で言うと下の左のセリフになりますが、実際には、単語の応酬だけでもコミュニケーションが可能です。
Would you like a coffee? →Coffee?
Yes, I’d love one. →Yes.
Do you want milk? →Milk?
No, thank you. →No.
How about sugar? →Sugar?
Yes, two please. →Two.
このように短いセリフだけでも、コミュニケーションは成り立ちます。私たちは英語指導の際、よくセリフを一語ずつにして基本的なコミュニケーションの練習をします。
むしろ、シンプルな単語のやり取りこそが、セリフを生き生きとさせ、大切な語句をはっきりと浮き上がらせます。単語はシンプルでも、ストレスのかけ方や呼吸の仕方による「味付け」を加えることで、対話が成立するのです。一語での対話法は俳優の英語指導法のひとつですが、読者のみなさんも応用できるテクニックです。
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