26年経っても原発事故被害は現在進行形 菅谷昭・松本市長/医師に聞く

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--現地の医師は、日本の状況をどう見ているようですか。

首都ミンスクにある国立医学アカデミーも訪問した。ここは医師育成機関であり、そのトップに、かつて私がベラルーシで医療支援活動を続けていたときの仲間だったユーリー・デミチク医師が就任していた。

デミチク教授は、「原発事故による子どもの健康問題について、たくさんの日本人がここに来た。でも、この問題についてこうしたらいい、ああしたらいいとベラルーシで言ってくれたのは日本の医学者だ。なぜその問題をベラルーシまで聞きに来るのか」と、痛烈な皮肉で私を出迎えてくれた。現在ベラルーシで行われている、甲状腺がんに関する年2回の検査体制を敷くといったことは、かつて日本人医師らが指導したことだったようだ。

そのデミチク教授は、「チェルノブイリ原発事故は甲状腺がんの発症に影響があったが、ほかの健康障害にも関係がないとは言えない」とのことだった。彼は、日本と連携して「調査・研究の体制を考えていこう」と言ってくれた。この問題は長期にわたる。福島の25年後の状況を考えると、この提案は有意義なものだろう。

(撮影:今井康一〈上の写真は11年4月時点〉 =東洋経済オンライン)

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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