26年経っても原発事故被害は現在進行形 菅谷昭・松本市長/医師に聞く

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低濃度汚染地区でも子どもたちの免疫低下が深刻

--日本では放射能の影響において、子どもたちの健康問題にも強い関心があります。

現地でもそれは変わらない。低濃度汚染地区のモーズリ市を訪れた。ここには今年の春、日本に来て公演してくれた民族舞踊団の子どもたちがおり、再会してきた。また、子どもたちの親にも会った。親たちは「子どもたちの免疫機能が低下している。風邪などひきやすく、また治りにくい」と嘆いていた。「食事など気をつけてはいるのだが……」とは言っていたが。

また、民族舞踊団の練習も「子どもたちの体力が明らかに落ちており、長時間の練習がしづらくなっている」とのこと。検査で免疫機能が落ちていることがはっきりしている。また、子どもたちは10~15歳で、事故から10年以上経って生まれた子どもたちだ。それでも、子どもたちの健康にこれほどの影響が出ていることには注意すべきだろう。

残念ながら、医学的・科学的な因果関係の立証は十分なされていない。しかし、低濃度汚染地区に住む子どもたちの現状は事実なのだ。

ベラルーシ・ゴメリ州の保健局長と会った際、「小児甲状腺がんは事故の影響であることは明らか。それ以外は、日本の専門家も言っているようだが、感情的な問題(psyco-emotional effect)によるものだ」と言った。保健局長は国の官僚であり、現在のベラルーシのような政治体制ではそう言わざるをえないのだろう。

そこで、私は「精神・感情的な影響と言われたが、小児の免疫機能が落ちているときに、はたしてそう断言できるのか」と問い返した。すると、この保健局長はもともと医師だったようだ。「医師として話すのであれば、免疫機能が落ちていることは単に感情的な問題ではない。医学的に調べる必要があり、今後、長期的に見ていかなくてはならない」と言ったほどだ。 

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