「フリー40歳定年」がテレビをつまらなくした 経費削減がもたらした放送作家の変質とは?

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かくして、放送作家の担当番組の多寡を決めるのは、番組のディレクター、もしくは、ディレクターの頭越しにその人選を決めるプロデューサーということになる。ともかく、決定権はテレビ局員である彼らにあり、いくら企画の売り込みをしようと、放送作家はあくまでも受け身の存在となる。提案した企画を採用するのも、プロデューサーやディレクターの権限次第だ。

早い話「才能」か「良好な人間関係」のどちらかがあれば問題ない。そのどちらもあれば、大抵の放送作家は仕事に困らない。しかし、現在これに、若干の変化が生じつつあるという。要因として、近年注視されている、民放テレビ局の「予算削減問題」が背景にある。

就活生からも見放され始めた

今春卒業予定の学生による最新版!「就職人気ランキング」ベスト300によると、入社したいテレビ局の順位は次の通りとなる。

NHK14位(前年20位)、フジテレビ40位(前年67位)、テレビ東京77位(前年44位)、TBSテレビ110位(前年109位)、WOWOW188位(前年261位)、テレビ朝日227位(前年117位)と、300位以内に6社もランキングしている。しかし、2004年はフジテレビが10位、翌05年は9位と、ベストテンに堂々入っていたことを思えば、現代の学生のテレビ局への求心力は、確実に低下していることは判然とする。

その一番の理由だが、近年叫ばれて久しい「若者のテレビ離れ」と、以前から報じられてきた「民放テレビ局の予算削減」は否定できない。景気が悪いと伝えられる企業を、あえて目指そうとはしないからだ。「制作費が異常に有り余っている」と噂されるNHKが最上位に来ているのは、学生の心情の表れと見ていいのかもしれない。

事実、テレビ局の経費は今や減少の一途を辿っている。収録の際に出される弁当がなくなり、一人一枚手渡されていた深夜のタクシーチケットも相乗りが常態化しているのは、よく知られた話だ。

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