スマートウォッチの「新顔」は何が違うのか 老舗GPSメーカーが日本市場に本腰
こうアン氏が主張するように、トレッカーやサイクリストの間におけるガーミンの知名度は抜群だ。さらにフィットネストレーニング向けにも力を入れており、Jリーグサッカー・ジュビロ磐田のチームスポンサーに名乗りを挙げるとともに、同社GPSウォッチを用いたトレーニングアプリケーションも開発。実際にジュビロ磐田のフィジカルトレーナーが活用しているとのことだ。
「スマートウォッチは数多くありますが、ビジネスマンが日常的に活用できる高いデザイン性を持ちながら、本格トレーニングにも役立つ機能を備える時計は他にないと思います。スーツのままトレーニングに立ち寄り、時計を付け替えずにそのまま活用。電車で帰るときに、トレーニング結果をレビューするといった使い方もできます」とアン氏は、スポーツウォッチとしての“深み”と時計としてのファッション性の両立を訴求した。
成熟した消費者が多い日本市場を重視
スマートウォッチは一種のパーソナルコンピュータであり、デジタルディスプレーを通じてさまざまな機能を提案できるうえ、小型電子機器を作れる会社ならばハードウェア事業としての参入障壁も低い。実際、Androidを採用するスマートウォッチの数は増え続けており、機能面での差はほとんどない。
「独自OSで、各ジャンルに深掘りした機能やアプリ、サービスなどを提供することでガーミンならではのスマートウォッチを確立できる。よりこだわりが強く成熟した消費者が多い日本市場は、我々にとってアジアでもっとも重要な市場だ」(アン氏)
昨年、21%アジア太平洋地区における売上げを伸ばしたガーミンは、次なるターゲットとして日本市場にフォーカスを当て始めた。アップルやグーグルのプラットフォームを採用する企業、カジュアルなウェアラブル製品を展開するメーカーとは異なる“深さ”を追求した製品は、はたして日本で受け入れられるだろうか。すでにランナー向け、サイクリスト向け製品で大きな実績を挙げているだけに、実現の可能性は低くないだろう。
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