日本株は底値圏に接近、下値は限られてきた 本格的な戻りには「円安・原油高」が必要だ
13日には経済協力開発機構(OECD)はパリ本部で緊急会合を開く。加盟各国の税務担当者らが参加し、税逃れの取り締まりや情報交換の強化について話し合う。14日から20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、15日からIMF世銀春季総会が開催される。通貨安競争を回避する方向で合意すれば、日本は円売り介入しづらくなるだろう。また、世界経済の減速懸念の見方が強まれば、安全資産とされる円買いを促すことも想定される。
17日にカタールで産油国会合が控えている。仮に増産凍結の合意見通しが立てば、原油価格の戻り歩調が続き、リスク選好の円売り・ドル買いの流れにもつながろう。テクニカル面でみると、WTI原油先物は戻りのフシ目に近づいている。長期投資家の損益分岐点といわれる200日線が41ドル台、2015年高値61ドルから2016年安値26ドルの半値戻しとなる43ドル台で上値を押さえられている。もう一段の原油高には余剰解消となる減産合意が不可欠だ。
1部上場企業の半数近くが解散価値を下回る
東証1部上場企業の半数近くが理論上の解散価値を下回っている。日経平均株価でも株価純資産倍率(PBR)1倍近辺まで近づいており、1万5000円前半はバリュー面での割安感から下値は限られそう。また、アベノミクス相場以降の日経平均株価を振り返っても、予想株価収益率(PER)からみた底値ゾーンとなる13倍台に接近している。
なお、テクニカル面からみると、長期的に売られ過ぎの水準とされる52週線マイナス20%が1万4900円台、平成以降の下げ相場の年平均マイナス18.8%を当てはめた下値メドが1万5400円台となる。また、2014年度の名目国民総生産(491兆円)に対し、足元の東証1部時価総額は480兆円台まで縮小している。
今夏の参院選を控えて補正予算や消費増税先送りへの期待も根強く、ここからの下値は売りにくいとみられる。仮に円安・原油高等をきっかけに日本株が戻りを強めた場合、東証1部時価総額が約500兆円となる1万6700円前後、2016年の3月月中平均となる1万6897円が意識される。
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