日本株は底値圏に接近、下値は限られてきた 本格的な戻りには「円安・原油高」が必要だ

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17日の産油国会合に先立って8日に開かれた中南米の産油国会合。具体的な方向には踏み込まなかった(ロイター/アフロ)

振り返れば、4月のドル円は転換点となってきた。1949年は連合国軍総司令部(GHQ)によってドル円が360円の単一為替レートとなり、1995年には日本の貿易黒字を背景に一時79円台まで円高が加速していた。2013年は日銀異次元緩和が100円近くまで円安に拍車をかけた。

過度な円高と株安はいったん一服しそう

揺れていた為替市場が落ち着いてきた。円高による輸出企業の収益鈍化懸念が投資家心理を冷やし、4月上旬の日経平均株価は「アベノミクス相場」で初の7日続落となった。ただし、下げが始まった3月29日は権利落ち日に当たり、配当分を考慮すると実質プラスといえ6日続落に割り引ける。

麻生財務相から「為替相場について急激な変化を最も望まない」、菅官房長官から「為替市場の動向に緊張感を持って注視し、場合によっては必要な措置を取ることにしたい」との口先介入もあり、目先は行き過ぎた円高にいったん歯止めがかかった。

過去3年の長期チャートからみると、2015年6月の125円台をピークに三尊型天井を形成している。そのサポートラインとなる115~116円を2016年初めに下回り、ドル安・円高の流れに勢いがついた。しかし、ピークからサポートラインの値幅(9~10円)を差し引いたターゲットは105~106円。ここから過度な円高の流れが続くのは限定的とみられ、場合によっては円安反転のきっかけをうかがうこともありそうだ。

日銀短観(3月調査)における大企業製造業の2016年度の想定為替レートは117円半ば。輸出関連企業の業績下振れ懸念等から、すでに日本株は年初から2割前後下落している。足元の日本株にも円高抵抗力を感じる底堅さをみせつつある。

カリブ海の小国から流出した文書が大国のトップを揺らしている。そもそもタックスヘイブンとは、国際的にみて税率が著しく低い国や地域を指す。違法の脱税でも合法の節税でもないため「租税回避地」という。今回、秘匿にされるはずの税務情報が漏れた。そのなかには各国首脳やその親族の名が連なっており、今後は政治的な波乱要因につながることも想定される。

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