東京市場に春が訪れるかどうかは為替次第だ 海外勢の日本株売り越し額は急減している

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3月15日、会見する日銀の黒田総裁。金融政策は現状維持とした(写真:ロイター/アフロ)

前回(3月2日)、 WTI原油先物はいったんの底入れを示したことから、海外勢による日本株売りも和らぐと述べた。3月に入り日経平均株価は1万7200円台まで戻りを強めている。そこで日本株を取り巻く今後のポイントを探ってみた。

「節分天井、彼岸底」というおなじみの格言がある。今年は3月17日~23日に彼岸を迎える。1949年(東証再開)以降の日経平均株価を調べてみると、3月中で最も弱含むのは22日(通算22勝27敗)。断片的な日次データであるものの、彼岸底といわれる裏付けといえる。

ただし、この流れが顕著だったのはバブル期まで。つまり右肩上がりの株高のなか、3月上旬~中旬に金融機関や事業会社による決算対策売り等が押し下げ、下旬は個人投資家の配当取りや機関投資家のドレッシング買い(お化粧買い)等が押し上げる構図が続いていた。

2015年度における上場企業の配当総額は約11兆円にのぼる。日銀によるマイナス金利が導入された一方、東証1部の配当利回り(加重平均)は2%前後に達する。2016年の日経平均株価は1~2月の急落から一転、3月の月間騰落はプラス6.8%(15日時点)で推移している。今年の配当取りの動きは、個人だけでなく運用難の国内金融機関も活発という。彼岸底の流れに対して逆行高が続くなか、3月28日に権利付き最終売買日を迎える。

ばらつく日米欧の金融政策

3月10日の欧州中央銀行(ECB)理事会で市場予想を上回る緩和策を公表、原油安で低迷する域内の物価を下支えしていく方針。一方、ドラギ総裁は記者会見で「追加利下げの打ち止め」も示唆した。

3月14~15日に開催された日銀金融政策決定会合は現状維持にとどまった。3月15~16日に開催されている米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ見送りの公算が高い。6月以降の米FOMCでも利上げ回数は限定的、利上げ自体に懐疑的な見方も台頭しつつ、今後はイエレン議長によるかじ取りが注目される。

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