日本株の下値固めを左右する「ドル円」動向 2円50銭刻みで1000円の振れがみられる
前回(2月3日)の本稿に、移動平均の25日線と75日線が大きく離れているため、日柄調整が必要と述べた。2月中旬、日経平均株価は1万4900円台から一時1万6300円台まで急回復した。背景としては①米個人消費の底堅さ、②欧州銀行の信用不安後退、③円高と原油安の一服等が挙げられる。過度なリスク回避姿勢がいったん後退したが、今後の日本株は乱高下が続くのか。テクニカル面からみたポイントをまとめてみた。
信用6カ月期日は2月中旬に山場を通過
2015年の日本株のピークを振り返ると、年初来高値2万0868円をつけたのが6月24日。一方、東証1部時価総額は8月10日(600兆円超え)、二市場信用買い残は8月17日(約3.6兆円)とそれぞれしこりを残していた。
2016年2月上旬、産油国マネーの換金売りや仕組債のオプションに絡む投機売り等が加速した。さらに昨夏の高値圏で信用買いした投資家が2月中旬(2月10日~17日)に6カ月期日の山場を迎えるなか、追い証(追加保証金の差し入れ義務)発生に伴う投げ売りも重なった。足元の時価総額は約490兆円、信用買い残も2.9兆円まで縮小し、戻り売り圧力が徐々に和らいでいる。
1988年以降、日経平均株価の年間騰落率がマイナスとなったのは13回ある。その下落した年の平均はマイナス18.8%となり、2015年末値1万9033円に当てはめると1万5454円。また長期的にいったん下げ渋る水準とされる52週線マイナス20%だと約1万5300円。
2月12日時点の日経平均株価は1万4952円。それぞれのフシ目を下回ったうえ、年初来マイナス21.4%となる下げピッチの速さは異常。売られすぎの水準に達したのち、いったん売り一巡感も台頭しつつある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら