日本株はモミ合いながら下値を固める段階だ 和らぎつつある投資家の戻り売り圧力
前回(1月20日)、日本株はいったん落ち着くと述べた。やはり年初からの3週間で1割超の下げピッチは異常だった。日経平均株価は1万6000円台から1万7000円台後半まで急速に値を戻した。
1月29日午後、「まさか」の日銀マイナス金利導入に東京市場が揺れた。市場参加者は量と質と金利の3次元緩和を好感、原油急落による極端なリスクオフもいったん一服した。ただ、収益面への影響が懸念される銀行株が下げている。このまま日本株の戻りが続くのか、再び調整するのか、注目すべきテクニカルポイントをまとめてみた。
昨秋下げ幅からみた下値メドは1万6074円
1990年以降に日経平均株価が下落した年は13回。その年平均はマイナス18.8%。2009年(米リーマン破たん後)以降、月間10%超下落した局面をみると、2010年5月のマイナス11.7%(米フラッシュ・クラッシュ)、2012年5月のマイナス10.3%(欧州債務不安)に続き、今回は一時マイナス15.8%(2016年1月21日時点)に達していた。やはり年初からの下げピッチが異常だったといえる。結局、1月末にかけてマイナス8.0%まで下げ幅を縮小させた。
昨秋と今冬の下げ幅が重なってみえる。
2015年8月、中国人民元切り下げ等を機に世界同時株安となり、8月高値2万0868円から9月安値1万6930円へと、日経平均株価の下げ幅は3938円に達した。これを元に2015年12月高値2万0012円から同値幅3938円を差し引くと、下値メドとして1万6074円が算出される。1月21日の日経平均株価は1万6017円でいったん下げ止まった。
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