東京市場に春が訪れるかどうかは為替次第だ 海外勢の日本株売り越し額は急減している
足元のNYダウは4週連続高、長期投資家の損益分岐点といわれる200日線(約1万7150ドル)まで戻してきた。ただ、同線は右肩下がりとなっており、ここからは戻り売りに押され上値が重たくなることも想定される。
2015年9月、スイスの資源大手株が急落した。中国の景気減速をきっかけに世界同時株安が進み、日本株も連れ安となった。2016年1~3月、商品市況が底入れから戻りを強めている。WTI原油先物は4週連続高、安値26ドル台から4割以上も反発。前述の資源大手株も年初来では5割も値を戻し、投機売りしていたヘッジファンドが買い戻しを迫られているもよう。
日本株の売買動向にも変化の兆しがうかがえる。海外勢の売り越し額をみると、2月第1週の6000億円台から3月第1週は900億円台へ急減。一方、年金基金の売買を反映する信託銀行は15週連続で買い越し。これは2008年12月以来の約7年ぶりの記録。当時は米金融危機のあおりを受け、日経平均株価は8000円台でくすぶっていた。ちなみに2008年の買い越し額が3.5兆円に対し、今回が2.6兆円。
配当取りやドレッシング買いは例年以上か
以上のことから、米株と原油が4週連続高との流れを受け、海外勢による日本株売りもいったん一服してきた。今後の焦点は原油価格から為替動向へ移行か。仮にドル円が円安方向へ戻せば、国内企業の業績見直しから日本株の底上げ機運も高まる。
足元の日経平均株価は2016年1月末の1万7518円(日銀マイナス金利導入発表時)にも届いていない。中長期投資家の損益分岐点とされる75日線や200日線(1万7600~1万8800円)から大きく下方乖離している。上値での利益確定売りが限られるなか、3月期末に向けての配当取りやドレッシング買いが例年以上の押し上げ効果につながることも。
2015年末の日経平均株価は1万9033円、年初来マイナス10%(3月15日時点)の水準にとどまる。花冷えが続いていた東京株式市場も為替動向次第では、桜の開花前線と共に春が訪れることも考えられる。
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