三重苦がある限り、相場の流れは変わらない のしかかる円高、原油安、企業業績の悪化

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ドル円相場は焦点の一つ。4月7日には1年5カ月ぶりの円高水準となった(写真:AP/アフロ)

先行き相場の強弱を表すシグナルとして注目されていた3月29日の権利落ち日。結果は30円84銭安となり、強気シグナルと言われる、1日での権利落ち埋めはならなかった。結局はシグナルどおり、この日をスタートとする7連続安となった。新会計年度最悪のスタートだった。

しかし、円高、原油安、企業業績の悪化という三重苦で、日経平均は7連続で1419円も下げたが、マザーズ指数はこの間も上げ続け、3年ぶりの高値となっている。日経平均だけではない世界が、マザーズ指数に代表される中小型株の世界で展開している。

資金の行き場は中小型株しかない

デフレ脱却がなかなか出来ない日本経済だが、おカネの量(M3・1240兆円)は増え続けている。マイナス金利で押し出された資金の一部が、三重苦の風雨にさらされる日経平均の、風裏(かぜうら)のこの場所(中小型株)に流れ込んでいるのだ。中小型株が買われる現象は以前から続いていたため、すでに過熱しているとか、行き過ぎだとか言われている。しかし、この傾向はまだまだ続くと考えられる。資金の行き場が、今の日本市場にはここしかないからだ。ファンド筋まで個別対応で動き始めている。

もちろん、流れはいつか変わる。変わるのは三重苦が解けた時だ。半年後でも1年後でも良いから、円安傾向が定着し、原油が50ドル台で安定し、日経平均銘柄のEPS(一株当たり利益)が1300円(来期10%以上の増益に上方修正)が見えて来たら、日経平均は2万円越えを目指して本格反騰するだろう。それまでこの流れは続くし、続かざるをえない。

最近の人気銘柄の筆頭は、1570レバETFだ。日経平均の動きを2倍で表すETFで、個人投資家も便利に売り買いしているが、多くの投資家は、個別株の売買が主戦場だ。先週から某テレビで「平野憲一・投資道場」が始まった。この個別株売買の勉強を一緒にしていく内容で、銘柄・株価と同時進行で解説していく。予想屋としてはかなりリスクのある企画だが、日経平均3重苦の風裏(かぜうら)銘柄はたくさんあると信じている。しっかり調査して投資家の役に立ちたいと思っている。

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