三重苦がある限り、相場の流れは変わらない のしかかる円高、原油安、企業業績の悪化
そうは言っても、日経平均もそろそろ戻りに入ってもおかしくはないとみている。
理由1:いくらなんでも政策期待が出る時期だ。13日(水)には第5回国際金融経済分析会合が開かれ、グリアOECD事務総長が出席する。前回本欄のとおり、安倍政権とマーケットの戦いは続いている。株価の崩れは安倍政権の終わりなのだから。
理由2:外国人投資家に売り飽き気分が出ている。世界のトヨタがPBR1倍割れで割安感が出ている。さすがに売り過ぎを感じるファンド筋も多い(筆者取材)
マーケットは円高にどこまで耐えられるのか
理由3:ファンドの折り返し(6月)前でのポジション調整もあると感じる。特に、オイルマネーの解約に備え、1月、2月、この4月と過度な先行売りをしたファンドにとっては、解約がなければ買い戻しておかなければならない。原油価格40ドル前後では、少なくとも年前半の解約はない。
理由4:悲観的になっている企業業績だが、プレ・ヒアリングで決算内容の雰囲気が事前に関係機関投資家に漏れていたことに対して厳しい処分が下された。今回は決算内容に対して超順張りの反応となる。健闘している数字が出れば、企業単位で素直に反応する可能性も。
理由5:為替との完全連動性が徐々に薄れてきた。
今週(11日~15日)の予定で注目は、11日の2月機械受注、信託大会での黒田日銀総裁あいさつ、グリアOECD事務総長会見、G7外相会合最終日、13日の3月企業物価、第5回国際金融経済分析会合、15日の2月鉱工業生産である。
最後に。連動性が薄れてきているとはいえ、やはり注目は為替の下値である。70円にも耐えた日本企業、100円でもびくともしないだろうが、マーケットがどこまで耐えられるのかが勝負どころ。今週の日経平均予想レンジは1万5600円―1万6500円となる。
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