なぜ東京に「巨大なバスターミナル」が必要か 「バスタ新宿」は大都市交通網を一変させる?

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上から見たバスタ新宿のロータリー。バスは斜めに停車する

すでに報じられているとおり、バスタ新宿はJR新宿駅のホーム上にある。1階がホーム、2階には鉄道の改札口や自由通路が入り、3階がバスの降車場、コミュニティバス「新宿WEバス」やタクシーの乗車口、インフォメーションセンター。そして4階にバスの発券カウンター、待合室、乗り場がある。

バスは目の前を走る甲州街道(国道20号線)から、新設された信号のある交差点を曲がって建物内に入り、3階で乗客を降ろしたあと4階に登ってくる。12か所の乗り場があるロータリーには屋根がなく、バスは斜めに停車するので、排気ガスの影響は最小限であり、スペースにはかなり余裕がある。 

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待合室は混み合い、床に座る外国人利用者も

それに比べると、東側に位置する発券カウンターや待合室のスペースには限りがある。筆者は平日の昼頃という、それほど混まない時間帯に訪れたが、入った途端、室温の違いを体感したほどだった。ベンチはすべて埋まっており、一部の外国人は床に座って待っていた。2階や3階には「観鉄」もできるデッキがあるが、4階には残念ながらない。

バスは鉄道より遅れが出やすい。この日も例外ではなかった。鉄道以上に弾力的な対応が求められる。発券カウンターと待合室を別にしたり、スペースに余裕を持たせたりしても良かったのではないだろうか。空港のように天井を高くすれば、室温を下げ、心理的な閉塞感を減らすこともできる。

もうひとつ気になったのは、乗り場の分け方が、空港、東名、中央道、関越道、関西・北陸となっていたことだ。外国人はもちろん、国内の観光客でも、中央道や関越道がどの都市を走っているか、熟知している人は多くないだろう。日本地図で区分を伝えたほうが分かりやすいのではないかと思った。

すべての交通が1か所に集約

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3階にはタクシー乗り場がある

もちろん歓迎すべき点もある。なによりも、鉄道、バス、タクシーのターミナルをまとめ、交通結節点としたことは評価したい。

これまで多くのターミナルは、鉄道、バス、タクシーにそれぞれ別の場所を与えていた。運営側から見ればそのほうが管理しやすい。しかし利用者から見れば、すべての交通を1か所に集めた方が望ましい。バスタ新宿は利用者目線を考慮した施設だと感じた。

こうした考え方は、ヨーロッパではいくつも先例がある。最近は我が国でも、新幹線駅の下に路面電車の停留場を配置した富山駅など、導入例が増えている。バスタ新宿の場合、そこにタクシーも取り込んだことが新鮮だ。

しかも新宿駅南口の場合、従来はタクシー乗り場が甲州街道の路肩にあり、乗車待ちのタクシーが伸びて車線を占領し、渋滞を引き起こすことが何度もあった。筆者は新宿に近い初台に事務所を構えており、都心方面から自動車で戻る際に、幾度となくこの渋滞にはまった。

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