意外と知らない、真田丸に見る「大河の裏側」 「チーム論」そして「ネット戦略」
――5人が上手に連携するコツはなんですか?
お互いが少しずつ自分を譲ることではないでしょうか。たいてい、チームをスタッフィングする時、上に立つ人は自分の言うとおりに動いてくれるメンバーを集めがちです。しかしそれだと1+1は2にしかなりません。1+1を5や10にするには、自分の想定範囲を超える答えを持ち寄ってくれるメンバーと組まないと、化学変化は起こらないし、それを受け入れる器をもつ人がトップに立たないと人は力を発揮しません。
そしてトップの人はもちろん、集まったメンバーも互いに少しずつ譲り合わないとダメですよね。その譲り合うという気持ちが、毛色の違う専門領域をもつメンバー同士を、有効につなぐ接着剤なんだと思います。
みんなそれぞれ短所と長所があるから、短所を補いながら長所を発揮していくためには、少し譲ってチームとしてつながり合うことが必要です。私たちのチームにとどまらず、きっとどんな企業にも当てはまると思います。
プロデューサーはこうして話題を仕掛ける
――吉岡さんの具体的な担当領域について教えてください。
一言でいうと、私は“話題づくり”の仕掛け担当でしょうか。どんなイベントにどんな形で参加すると話題になるか、昨今の流行や話題の出来事を「真田丸」とコラボさせるにはどんな方法があるかを考える役割です。まだまだ発表前の仕込みもあるので具体的ではありませんが、「真田丸」のイメージをミスリードすることなく話題にすることがミッションです。
もちろん私だけが担当しているわけではありません。歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズで知られる、コーエーさんと協力して制作している劇中の3D地図や、YouTubeで展開した「ダメ田十勇士」などは、別のプロデューサーが早くから仕掛けています。私は性格的に大雑把で、書類仕事が苦手なので、渉外的に突破口を開くことをどちらかというと得意としています。
また「真田丸」ではFacebookやTwitter、Instagram、LINEなども今回積極的に展開していますが、この辺りは広報局を含め、たくさんのスタッフによって、日夜、運用されています。
――NHKがLINEまで取り入れているなんて、ちょっと意外です。
公式アカウントをつくっているだけではなく、スタッフ間の連絡もLINEを使っています。今の若い人って、LINEがもっともポピュラーなコミュニケーションツールですよね。
「若い人にこそ『真田丸』を観てもらいたい」と言っておいて、LINEやTwitterを使っていなかったら、到底本気には思えないですよね?
また、今や最も日本で若者を動員するイベントになった「ニコニコ超会議2016」(4月29日、30日、幕張メッセで開催)にも「超・真田丸」として、初参陣します。昨年は日本相撲協会が参加して話題になりました。今年は大河ドラマ「真田丸」が参加するということで、目玉企画の一つとして、既にニコニコユーザーからはロックオンされています。
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