園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《中》

「敵は内にあり。最大のライバルは取引先である小売店だった」。HCはアイリスオーヤマの一番の売れ筋商品をコピーし、自社のPB(プライベートブランド)商品として売り出したのだ。「小売業は厳しい。アイリスオーヤマは問屋を抜いたが小売業はメーカーも抜いてしまう」。

大山が取った対策は二つ。一つは売り先の多角化だ。スーパーやコンビニ、ドラッグストア、家電量販店まで間口を広げた。ただしHCでは取り扱わない商品を開発し、HCに迷惑がかからないよう配慮した。ドラッグストア向けのヘルスケア商品、家電量販店向けの軽家電(トースターやIHヒーター)などがそれ。一つの「種」にこだわらない「業態」だからこそできる芸当である。

二つ目は製販における海外展開だ。とりわけ威力を発揮したのが中国・大連への進出だ。大山が大連を選んだのは、仙台と同緯度という距離の近さ、親日的な空気である。

当時の大連市長は今年、時の人となったあの薄熙来(前重慶市党書記)だ。アイリスオーヤマの大連工場のタイルの色も薄が決めた。「この工場は大連の看板工場。だからタイル張りにしてくれ。色はこれがいい、と。薄さんは大連を第2の香港にする、と意気込んでいた」。その熱意にほだされるように、毎年のように新工場を建設し、いまや大連に7工場。大連は「デパートメントファクトリー」になった。

扱うのは樹脂、金属、木、不織布、土(!)と何でもござれ。機械も射出成型機、自動溶接ロボット、木工工作機がずらり並んでいる。常務の大山繁生が言う。「大連ではワンストップショッピングができる。技術の育成、管理が大変だが、それをやれたことがうちの強み」。大連によってどんな変化にも対応する「業態」の物理的な裏付けが確立した。 

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