園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《中》

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次に手掛けたのがペット用品だ。大山は「ペットのリンカーンになる」と宣言した。犬を鎖から解き放ち、サークルの中で飼う。家の中で飼えるよう専用トイレも開発した。清掃が容易で清潔さが売りのプラスチック製犬小屋は、大ヒットとなった。

ところが、園芸・ペットを両輪に急成長したアイリスオーヤマに大転換点が訪れる。HCからクレームが来た。「貴社との取引額は問屋を上回る規模になっている。であるなら、問屋と同じサービスをしてほしい」。HCは配送や陳列、店頭での販促を問屋の「応援」に依存していた。「応援」ができないのなら、直販ではなく、問屋を通してほしい──。

石油危機の屈辱を忘れない大山にとって、問屋を通すことは論外だ。第3の道=「メーカーベンダー」として、メーカーでありながら、自ら問屋になる道を選んだ。この決断によって大山は、独自の思想を確立した。アイリスオーヤマは「業種」を離れ、「業態」になったのである。

大山によれば、メーカーは業種だ。種(シーズ)を業(なりわい)とし、一つのシーズに固執する。対して、メーカーベンダーは業態だ。態=状況を業とし、状況に応じて変化し続ける。

「問屋になった以上、売り場に責任を持たねばならない。犬小屋は作るがシートやペットフードはありません、とは言えない」。消費者の本当のニーズ(態)を求め、開発に次ぐ開発が宿命となった。「開発はあくまで生活者目線。今日の満足は明日の不満」が大山の口癖である。 

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