園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《中》

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園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《中》

どんなことがあっても、二度とリストラをしてはいけない。アイリスオーヤマの企業理念の第1番目「企業の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境においても利益の出せる仕組みを確立すること」。その思いは、このとき固まった。

第3の道=メーカーベンダー 「業種」から「業態」へ

しかし、永続する企業とは何か。そんなビジネスがあるのか。大山は帝国データバンクから140万社の企業データを買い込み、最初の「鉱業」から最後の「サービス」まで、半年かけて1社ずつ調べ上げた。

あった。台所用品でも浴用品でもなく、プラスチック日用品の中で「その他」に分類されていた2社が、あの石油危機時にもしっかり儲けていた。園芸用品のメーカーである。

「これなら勝てる」。若き日に見た欧州映画では、生活の中に園芸があった。日本もこの先、園芸市場が拡大することは間違いない。何より、自ら庭いじりをしていた大山にとって出回っている園芸用品は不満だらけだった。プランターはすぐ根腐れするし、水をまくホースはなかなか巻き取れない。ならば、根腐れしない構造のプランター、簡単に巻き取れるホースを開発しよう。

大山は開発した園芸用品をHCに持ち込んだ。当時、「DIY」(日曜大工)以外の新しい成長機会を求めていたHCは飛びついた。「これいいわ。こんなのが欲しかった」。宣伝広告費もかけずHC市場を席巻した。 

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