実態とかけ離れた「健康食品」の宣伝文句 DHAサプリから野菜系飲料まで徹底検証

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 ある企業の新聞広告には、「酵素は体に必要なもの。だからずっと飲み続けます」という「酵素摂取歴2年」の女性の体験談が掲載されているが、梅垣氏は「酵素を含むサプリメントを経口で摂取しても、体の中で酵素が増えるかは疑問。年齢とともに体内の酵素が減るからといって、それをサプリメントで補うという考え方自体が安易だ」と指摘する。

しかし、広告宣伝の勢いは止まらない。最近では、薬事法や景品表示法に抵触しないギリギリの線を狙った大手企業の広告も目につく。

サントリーと味の素が“死闘”を繰り広げているDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれるサプリメントを例に実態を見てみたい。

イワシやサンマなどの青魚に多く含まれるDHAやEPAの摂取は、動脈硬化の予防に効果があるといわれてきた。そのうえ厚生労働省が「日本人の食事摂取基準2010年版」で、「1日1グラム以上」のDHAおよびEPAを摂取することが望ましいと初めて提示したことをきっかけに、販売競争は過熱している。

サントリーは全国紙の広告で、「50代、60代 魚を食べているつもりでも……実は不足していませんか?」と訴えかけている。ここで目を引くのが魚介類の摂取量が年々減少しているという厚労省のデータおよび「厚生労働省が発表。DHAおよびEPAに目標摂取量があるのをご存じでしょうか?」という文言だ。

味の素も負けていない。新聞広告では「厚生労働省も推奨」との見出しを掲げたうえ、同省の「日本人の食事摂取基準2010年版」からオメガ3系脂肪酸の摂取目標量を引用し、「サプリメントなども上手に組み合わせて、無理なく『青魚生活』を続けていきましょう」と促している。

次ページ「ドロドロ」や「あれ?」は違反ではないか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事