実態とかけ離れた「健康食品」の宣伝文句 DHAサプリから野菜系飲料まで徹底検証
本誌は味の素にも質問文を送付した。「ドロドロやあれ?に強い味方」との新聞広告のタイトルに着目。広告の記事部分でも「『ドロドロ』や数値が気になる」「健康診断で指摘を受けてしまった」との文言があることから、「ドロドロ」は高脂血症を意味しており、サプリメントに血液中の中性脂肪を下げる効果があることを示しているのではないかとの質問をした(同社の広告では、タイトルから離れた場所に小さな活字で「(ドロドロとは)肉の脂質に対する表現です」との注釈があるが、これでは意味が通らない)。
また、「あれ?」という言葉が認知機能低下を意味すると思われるうえ、「冴え」「キレ」という記述も広告の中にあることから、「認知機能の改善にもこのサプリメントは効果があるのでしょうか」と尋ねた。
しかし、味の素は本誌の質問には正面から答えずに、次のような回答を送ってきた。
「弊社商品『DHA&EPA』は、食生活での不足分を補うことでお客様の健康をサポートする栄養補給サプリメントです。健康価値についてはエビデンスを確認し、商品を開発・販売しております。商品の広告表現においては、サプリメント(食品)は医薬品的効能効果を標榜することが許されないため、許容される範囲内の表現を用いております」
食品でありながら、医薬品のような効能効果をうたうと薬事法違反や健康増進法違反に問われる。かといって、効果を認識してもらえなければ、健康食品は売れない。そこで効果を暗に示唆する広告表現が生まれてくるのだが、健康増進法の虚偽誇大広告に該当しないのだろうか。
規制がなく野放し ネーミングの実態
健康によいというイメージを定着させるべく、食品メーカーは商品のネーミング(商品名)にも工夫を凝らしている。しかし、商品の実態を示しているとは思えない事例も多い。
3月23日に消費者庁が開いた「食品表示一元化」に関する意見交換会で、若村氏は「ネーミングは野放し状態。厳しく規制すべき」と訴えた。