実態とかけ離れた「健康食品」の宣伝文句 DHAサプリから野菜系飲料まで徹底検証

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「ドロドロ」や「あれ?」は薬事法に違反しないのか

だが、両社の広告は消費者問題のプロの目には「行きすぎ」と映っている。『こんな「健康食品」はいらない』(だいわ文庫)の著書を持つ消費生活アドバイザーの若村育子氏は、「魚を週に3~4回食べていれば十分。サプリメントにおカネを使う必要はない」と断じる。

若村氏が問題にするのは、両社の広告表現だ。

 上の写真にあるように、サントリーの新聞広告には大皿に盛られたクロマグロの赤身の刺身が登場。「『1日1g以上』はクロマグロの赤身の刺身なら約9人前以上必要!」とのキャッチが目を引く。「DHAやEPAを魚から必要量取るのは不可能。サプリメントをのもう」と読者が思ったとしても不思議ではない。

しかしながら、「同社の説明には誇張がある」と若村氏は指摘する。文部科学省の「五訂増補 日本食品標準成分表 脂肪酸成分表」を用いて若村氏が計算したところ、サンマ1匹(焼魚)、シメサバ(半身の半分)、ギンザケ1切れ(焼魚)をそれぞれ週に1回食べるだけでEPAおよびDHA合計で1日に1グラム以上摂取できるという計算結果が出た。

DHA、EPAがごくわずかで、マイワシの10分の1も含まれていないクロマグロの赤身を大きく掲載したうえで、「9人前以上」も食べる必要を強調したことについても、若村氏は「消費者の常識では考えられない、強迫観念を植え付ける広告だ」と批判する。

クロマグロの赤身を新聞広告で取り上げた理由について、本誌が質問したところ、サントリーから次のような回答が返ってきた。

「クロマグロの赤身は日本人にとって最もなじみのある刺し身・すしネタであると考え、広告で使用しています」

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