あなたの会社にも「ショーンK」は存在する! 経歴詐称はこんな形で行われている

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だからこそ、A男は簡素な職務経歴書しか提出しなかったのだ。会社が懲戒解雇するわけにもいかず、A男は1年ほど部長職に居座ったが、総務、人事部門はめちゃくちゃな状態に。結局、最後は会社側が“奥の手”を使って引導を渡したという。

「表向きは、経営不振による会社都合の退社ということで辞めてもらいました。さらに補償金として数百万円を支払っています。おかしな話ですよ。外見は生真面目なサラリーマン風だったのに、人は見た目ではわからないですね」(フミカさん)

ショーンKこと、ショーン・マクアードル川上氏(48)の学歴、経歴詐称疑惑の余波が収まらない。影響は大きく、川上氏は出演していたテレビ番組をすべて降板、15年間DJを担当したラジオ番組も打ち切られた。4月から始まる新番組のキャスター就任も白紙となった。

許せないのは経歴詐称

川上氏と仕事をしたこともある精神科医の和田秀樹さんは、彼の心理をこう推察する。

「ショーンさんは演技性人格障害などではなく、確信犯だったと思います。どうしたらテレビに呼ばれ、仕事が増えるか緻密に計算した結果、あの学歴、経歴、声、容姿を“創作”した。確信犯だからこそ、バレたら即座に表舞台から降りたのでしょう。もし演技性人格障害なら、こういう反応はしない。実は気が小さくて、いつバレるかビクビクしていたのではないか」

世間が「詐称」に厳しい目を向けていることが改めて浮き彫りになった今、一連の疑惑のどこを問題視しているかを探るため、AERAはネットやSNSで緊急アンケートをした。その結果、回答した64人中4割の人が「経歴詐称」と答えた。

「現在進行形の事実に関してウソをつくということは、直面している直近の事実に対して不誠実であっても気にしないということ。真実を追及する姿勢や疑義をただすコメントに価値がなくなる」(51歳 自営業)

「この件で実態のある損害があるとすれば、『仕事の具体例や実績』を信じて仕事を依頼し、よいコンサルを受けられず、ビジネスに損害が出た人、会社だと思うから」(56歳 主婦)

虚偽の情報で新たな仕事を得て、それが拡大していくことに悪質性を感じる人が多いようだ。だが、冒頭のケースのように、「経歴詐称」をしている人間が職場に紛れることは少なくない。

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