ショーンK「熱烈擁護意見」がはらむ危険性 詐称は相互信頼で成り立つ仕組みを破壊する
先週、ショーン・マクアードル川上(ショーンK)氏の経歴詐称問題が大きな波紋を呼んだ。さまざまな疑惑や批判が投げかけられたが、その中でもっとも話題になったのは、自身の知識や能力の裏付けとなる経歴を詐称したことと、本業の組織体制や事業実態を過大に見せていたことの二つに集約されるだろう。
ちょうど川上氏の人気が上昇し、新しい報道番組の顔として抜擢されるタイミングだったことに加え、詐称していた情報の多さや(本来の詐称とは無関係の)整形疑惑なども話題を煽ったことで、多くの人が川上氏の詐称問題を中心にさまざまな意見を表明することなった。
対立する2つの意見
意見は大きく二つに分けられる。
意外に多いのが「経歴を詐称は良くないが、コメンテーターや司会者として能力が高いのであれば評価すべきであり、過度に批判する必要はない」という意見。もうひとつは、経歴を詐称によって得られた地位は正当なものではないのだから、出直すべきという意見だ。
たとえば、脳科学者の茂木健一郎氏は「『ハーフ』『国際的に活躍する経営コンサルタント』『ハーバードMBA』といったイメージの文脈をつくっているのは、世間だと思います」とブログで綴り、本来の業務遂行能力とは無関係の文脈に、人の価値を求める社会にも問題があると指摘している。
しかし、冷静に考えれば、これら二つの意見は必ずしも対立するものではない。
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