薄氷踏むシャープ、最終赤字4500億円へ 「継続前提に重要事象」

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今上期は、柱の液晶テレビが国内のエコポイント特需剥落や中国市場での不買運動の影響で販売台数が389万台(前年同期比44%減)と落ち込んだ。液晶パネルはアップルのアイパッドやアイフォーン向けの受注を得ていたが、生産立ち上げの遅れに伴う損失の発生で、営業損失1155億円と足を引っ張った。太陽電池も中国勢の低価格攻勢で赤字が続いている。これら3事業が白モノ家電や複写機など情報機器の利益を食った格好になる。

下期も、シャープのおかれた状況は、依然、厳しい。

中国でのテレビ販売は10月で前年同月比4割減となり、11月以降も日本製品の不買運動の影響がしばらく続きそうだ。

液晶パネルの受注動向は不安定

パネル事業は、亀山第1工場でiPhone(アイフォーン)用の出荷が9月に始まったが技術的なハードルが高く、歩留りが急激に上昇するとは考えにくい。亀山第2工場のiPad(アイパッド)用パネルは少しずつ歩留りが上がっているもようだ。ただ、新発売のiPad mini(アイパッドミニ)の発売に伴い(シャープは受注していない)、現行アイパッドの販売が影響を受ける可能性もあり、パネルの受注状況は不安定である。

「世界でシャープしか生産していない“切り札”」(シャープ)とする高精細かつ低消費電力の「IGZO(イグゾー)パネル」を使ったスマホやタブレット(いずれもシャープブランド)も量産するが、まずは自社製品が中心となるため収益面ではインパクトを与えない。顧客動向に左右されるBtoBが中心であるだけに、下期のパネル事業がシャープの思惑どおりに進むかどうかはきわめて不透明である。

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