薄氷踏むシャープ、最終赤字4500億円へ

「継続前提に重要事象」

太陽電池も海外市場での競争はますます激化し赤字から脱せない。会社側は今期を140億円の営業赤字と予想しているが、ここからさらに下振れる可能性もある。

なお、資金繰りについては、年度内はメドがついている。短期の資金調達手段であるコマーシャル・ペーパー(CP)の代替として、9月末に主力2行による3600億円の追加融資を受けたことが大きい。CPは9月末時点で1675億円と、6月末時点の3624億円から約2000億円減少した。一方で、9月末の短期借入金は5112億円(今年3月末時点で2123億円、6月末時点で3365億円)と急増している。大阪市内で会見した藤本俊彦常務は「年度内にCPはゼロになる見通しだが、借入金でカバーできる」と述べた。

依然残る資金繰りリスク

CPの新規発行など直接金融市場における資金調達は、当面困難である。そのため、銀行の融資が頼みとなるが、9月末の追加融資3600億円は「来年6月末」が期限となっている。来年9月には2000億円の新株予約権付社債(CB)の償還期限が迫っている。会社側は追加融資3600億円でCBも賄えるとしているが、東洋経済は、運転資金面などをかんがみれば依然、来期以降のCB償還を含めた資金繰りのリスクが取り払われていないと考える。

今下期中に、業績の急回復に向けどれだけ手を打てるか、とりわけ基幹のパネル事業でアップルなど大手顧客から来期に向けての注文をどの程度固められるかが、銀行へのPR、ひいては「シャープ存続」の必須条件となる。

(トップページ写真は東京都内で会見した奥田隆司社長、撮影:今井 康一)

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