GSユアサが秘める悩み、エコカー用電池で脚光だが…

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GSユアサが秘める悩み、エコカー用電池で脚光だが…

2009年、投資家たちはこれまで見向きもしなかった企業の台頭にくぎ付けになった。それは電池メーカーのジーエス・ユアサ コーポレーション(以下、GSユアサ)。

市場では“GS相場”なる言葉も生まれた。一日の株式売買高がコンスタントに1億株を超えるような銘柄はメガバンクや鉄鋼大手などごく一部だが、GSユアサはこれらに交じって、何度も1億株を突破した。「その人気ぶりはトヨタ自動車や日産自動車を突き放しているどころか、逆にGSユアサが値上がった後に、トヨタの株価も追従して上がるときさえある」と株式評論家の長島和弘氏が興奮ぎみに評する。

社運を懸けた大投資事業大転換の予兆

始まりは08年夏。洞爺湖サミット開催に乗じて、環境関連銘柄を広く買う動きの中に、GSユアサがあった。「そのときは、株式市場にありがちな一過性のブームだと思っていた」と長島氏。しかし、波は一瞬では収まらなかった。ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)は、米オバマ政権のPRもあり、今や世界中で「あこがれのクルマ」となった。そのキーデバイス、リチウムイオン電池を担うのがGSユアサだ。

GSユアサはもともと、国内鉛蓄電池の大手メーカーだったYUASAと日本電池が04年に経営統合して生まれた会社である。現在も主力は鉛電池。エンジンの始動やライトなどの電源として使われる自動車バッテリーが中心で、売上高の6割程度を占める。市場シェアも高く、アジアでは22%でトップ、世界でも8%のシェアで第3位につける。

一方、より高い蓄電性能を誇るリチウムイオン電池は、1990年代前半から実用化を図ってきたが、現在の売り上げ比率はごくわずかだ。

それにもかかわらず、今年5月に発表した10~12年度の新3カ年中期経営計画で、自動車用を中心とするリチウムイオン電池事業へ投資の大半を傾ける姿勢を示し、またも市場の度肝を抜いた。予定する設備投資額は年平均で250億円と、昨年までの2倍以上。このうち約7割を、自動車用リチウムイオン電池の生産設備に充当する。

まさに社運を懸けた大投資。「われわれ電池屋として、今の潮流を看過できないということ。(HEV、EVなど)エコカー用電池は、世界中で普及促進する政策の動きもあり、膨大な需要が期待できるようになった」と依田誠社長は力説する。

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