凍結する欧州経済--世界金融危機いまだ去らず

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0・3%減と、事前予想に比べて落ち込みが小幅だったのだ。

ドイツとフランスに至ってはプラスに浮上。欧州主要国の経済も日米両国と同様、最悪期を脱した感がある。この持ち直しは輸出増に加え、「スクラップインセンティブ」などの政策対応に下支えされた側面が大きい。同インセンティブは消費者が古い車を低公害車に買い替える際、補助金を付与する制度。これを導入したドイツ、フランス、イタリアなどでは新車登録台数が増加。ポーランドやチェコなど「生産拠点」に位置づけられる新興国にも、その好影響が広がったとみられる。

しかし、失業の不安に脅える多くの地域住民は景気底打ちなど実感していない。欧州にとって、雇用は「永遠の構造問題」(同志社大学大学院の浜矩子教授)。見通しは暗く、消費者の財布のひもは固くなりそう。いきおい、景気回復の足取りも鈍くならざるをえない。

EU統計局(ユーロスタット)の10年の実質GDP予測は日本が前年比0・1%増、米国も同0・9%増と、いずれも09年のマイナスからプラスへ浮上。一方、欧州は同0・1%減と水面下が続く見込みだ。

金融市場関係者の間では「欧州は世界経済のアキレス腱」と評される。欧州発の金融危機再燃への警戒感がそれほど根強いのだ。

三菱UFJ証券の中沢氏によると、欧州中央銀行(ECB)がはじき出した10年末までのユーロ各国金融機関の潜在的な損失額は4640億ユーロ。これに対し、07年以降の累計償却・評価損額は約1800億ユーロと半分にも満たない。「景気失速によって、企業向け融資中心に貸し倒れ損失が拡大する」(中沢氏)“爆弾”を抱えている状況だ。

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