海外投資家はいつ日本株買い越しに転じるか

全人代終了後の中国は日本株の下支え要因に

さて、この時期になると毎年話題になるのが「配当再投資の買い」です。「配当再投資の買い」とは、年金資金などを配当込みベースで運用・管理する信託銀行などが、運用ポートフォリオに占める株式資産の配当落ちによる目減りを補うために買いを入れること。配当金を実際受け取るのは2~3カ月あとになるため、目減り分相当額を埋めるための先物買いが機械的に入りやすい。9月の最終週も同じです。

過去3月最終週の信託銀行の先物手口(TOPIX先物のみ)は以下の通りです。

2009年 2091億円買い越し(3月23日-3月27日)
2010年 2426億円買い越し(3月29日-4月2日)
2011年 1982億円買い越し(3月28日-4月1日)
2012年 2095億円買い越し(3月26日-3月30日)
2013年 1088億円買い越し(3月25日-3月29日)
2014年 2595億円買い越し(3月24日-3月28日)
2015年 2845億円買い越し(3月23日-3月27日)

 

運用機関がすべて同じタイミングで買いを入れるというわけではないですが、たとえば、権利付き最終日(今年は3月28日)の大引けにかけて買いを入れる場合もあるでしょうし、権利落ち日、権利落ち日の翌営業日なども考えられます。

4月第1週は買い越し額が膨らむ傾向

今年の配当落ち分はTOPIXで13ポイント程度と見込まれています。3月18日現在のTOPIX(1345.05P)の0.96%相当に当たります。TOPIXに連動する資産が世の中に25兆円程度あるとした場合、2400億円(25兆円×0.96%)程度が権利落ちにより運用資産が目減りする計算になるため、その分が買い需要と試算できます。TOPIX先物ベースで換算すると1万8000枚程度の買い需要になる。下落局面では一時的な下支えにしかならないケースが多いですが、足元のように戻りを試す局面では、決して無視できないインパクトになると考えてもよさそうです。

投資家動向では、海外投資家の動向がやはり当面の重要なポイントです。海外投資家は3月第2週の1週間だけで日本株を1兆2990億円(先物・現物合算)売り越したのです。3月2週までで10週連続して日本株を売り続け、その間の売り越し額は4兆8448億円にまで膨らみました。

ただ、最近いえることは、特殊要因を除いて週間ベースでは次第に売り越し額が減少傾向にあることに加え、直近3年間でみると4月第1週には日本株への買い越し額が膨らむ傾向もあるようで、今年も4月第1週前後には買い越しに転じる可能性が高いといえなくもない。

投資戦略としては、株価一段高を見据えた指数連動商品への買い付けのほか、これまでの売り越しの主犯格であった産油国ファンドやノルウェー年金基金などのSWF(政府系ファンド)が保有している、と推測される銘柄への先回り買いなどもありでしょう。

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