やっぱり本命はGSユアサ、加速する次世代電池開発競争
提携戦略では主導権を確保
下図では自動車・電池メーカー間の提携関係を整理している。注目すべきは、GSユアサはいずれの電池製造合弁に対しても51%を出資して子会社化している点。「合弁の前提条件として、われわれが主導権(マジョリティ)を要求した」と依田誠・GSユアサ社長は話す。電池メーカーが経営の主導権を握ることで、技術流出の防止を図れるうえ、合弁先以外への電池供給も選択肢に入り多様な事業展開が可能となる。もちろん、子会社化すれば業績貢献も拡大する。
他方、類似銘柄とされる企業はどうか。古河電池は、ニッチな産業用途でようやくリチウムイオン電池の実用化を始めた程度。莫大な市場が期待される自動車向けのビジネスは行っていない。新神戸電機は日立製作所らとの合弁を通じて自動車リチウムイオン電池に参画してはいる。ただ、出資比率は25%と小さく業績貢献も限定的だ。パナソニックやNECの合弁陣営も、運営の主導権は自動車メーカー側にある。いずれも、GSユアサと比べて同事業への積極姿勢、進捗度といった点では見劣りがするのは確かだ。
「競合と比べても相対的に優位なポジションにある。売上高拡大のビジビリティ(確実度)は高い」と、6月に発行されたゴールドマンサックス証券のリポートでも、GSユアサをそう評価する。