世界の自動車メーカーは転換期に、各国の政府支援もかえってアダに《スタンダード&プアーズの業界展望》


 中長期的には、自動車メーカーでは規制強化への対応で、研究開発費の負担が継続的に重くのしかかるため、収益性への圧迫が続く見通しである。

自動車産業が多くの国々の経済にとって重要な役割を担っていることに加え、環境意識の高まりにより自動車の排出ガス削減が重視されていることから、自動車業界に対して今後も政治上の高い関心が向けられていくとスタンダード&プアーズは考える。GMとクライスラーの破綻とともに、環境規制強化も世界の自動車業界の再編を促すきっかけとなりそうだ。

日本の自動車メーカーも需要の減少の打撃を受ける

日本の自動車メーカーは2008年3月期に過去最高益を達成した後、2009年3月期にはほとんどが営業赤字に陥るなど、業績が大幅に悪化した。スタンダード&プアーズでは、特にトヨタ自動車(AA/ネガティブ/A−1+)とホンダ(A+/安定的/A−1)の優位性が維持されるとの見方は変えていないが、2010年3月期も各社の収益性には強い下方圧力がかかるとみている。

トヨタにとって、燃費の優れる小型車での幅広いラインナップや、ハイブリッド車での強み、事業の地理的分散、コスト効率の高さ、財務力の強さは、引き続き格付け上の強みである。しかし、同社がこれらの強みを十分に発揮するには、世界の自動車市場の回復がカギになるとスタンダード&プアーズは考えている。

日本の2009年1~8月の自動車販売台数(軽自動車を含む)は293万台と前年同期比18%減少した。4月に導入されたエコカー減税や6月の新車購入補助制度が奏功し、販売台数は4月の前年同月比23%減から、8月にはほぼ前年同月並みの水準まで改善するなど、前年同月比の減少幅が縮小傾向にある。

特に補助金が相対的に大きい登録車では回復傾向が顕著で、登録車の前年同月比は4月の29%減から、8月には2%のプラスに転じた。軽自動車も含めた販売台数ランキングで、トヨタの「プリウス」が6月以降3カ月連続で首位となったほか、ホンダの「インサイト」も4月以降上位に食い込むなど、新車購入支援策を追い風にハイブリッド車の好調が目立つ。

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