【大阪百貨店戦争】阪急うめだ本店が新装開店で見せた“意地”《NEWS@もっと!関西》

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 初日に大賑わいを見せた阪急うめだ本店の改装オープンは、「地域一番店」としての“意地”を示したと言える。目下、関西の百貨店業界には逆風が吹きつけている。従来からの不況感に加え、5月に新型インフルエンザが発生し、地域住民の出控えが顕著になった。関西圏の消費不振は深刻で、地元百貨店が軒並み衰退。創業130年の老舗百貨店「そごう心斎橋本店」は8月末閉店に追い込まれた。それでも、阪急はこの逆風を跳ね飛ばす勢いで、いかに地域住民の期待が高かったかが伺える。

今回の改装オープンは別の側面も持つ。それは、阪急百貨店が「大阪百貨店戦争」の先鞭をつけたことを意味するのである。

周辺では、11年春のオープンに向け「JR大阪三越伊勢丹」の建設が急ピッチで進められている。三越伊勢丹にとって初めての大阪進出だけに、関係者にも力が入る。JR西日本伊勢丹・専務取締役(大阪店開業準備室長)の伊藤達哉氏は東洋経済オンラインの過去のインタビューで、次のようにコメントしている。  

「ファッションといえば大阪では阪急百貨店さんが第一人者で、評価を得ておられる。われわれはコンテンツ(=ブランド)として阪急さんにないものを持ってくることもありますが、同じコンテンツを展開するケースもあるでしょう。ただ、『置き方』は変わるでしょうね」「阪急さんのうめだ本店は増改装により(グランドオープン後は)8万4000平方メートルになります。一方の大阪三越伊勢丹は5万平方メートルでしかない。量では勝てないので質(=付加価値)を高めていきます」。

これらのコメントから、三越伊勢丹が阪急うめだ本店をライバルとして強烈に意識していることは明白だ。また、阿倍野区を拠点とする近鉄百貨店も本店ビルを地上59階の超高層に建て替える構想を打ち出している(14年完成計画)。関西百貨店の間で、「盟主」の座をかけた激しい顧客争奪戦が展開されることは容易に想像できよう。

阪急うめだ本店の09年度売上高目標は隣接するメンズ館とイングス館との合計で1330億円。初日の好発進を持続できるか注目だ。

(梅咲 恵司=東洋経済オンライン)

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