ブリヂストンが放つ“ランフラット"の可能性、パンクOKの新タイヤが勢力図を塗り替える!?
車を運転するかぎり、ドライバーはパンクと無縁ではいられない。日本では1日約1万人、米国では6万人がパンクを起こしている。くぎを踏んだり縁石に接触するのはもちろん、タイヤが磨耗したり空気圧が過不足なまま長く高速で走って、バースト(破裂)することもある。
JAFロードサービスによると、パンクによる出動はこの10年で2割増えた。道路のくぎが増えたわけではない。パンクしたらお手上げというドライバーが増えているのだ。自分でタイヤ交換する人は今や4割。しかも若い人ほどその割合は低い。交換は交換で危険も伴う。先月も岩手県内の東北自動車道で、パンク修理中の男性2人が後ろから来たトラックにはねられ死亡したばかりだ。
凪(なぎ)が続いたタイヤ業界ついに地殻変動の予感
ところが、パンクしても平気なタイヤが存在する。名前はランフラット(以下、ランフラ)。ブリヂストンが1980年代に開発した。外見は普通のタイヤと何ら変わらないが、内部の側面に張られた補強ゴムがパンク時に強力に支える。時速80キロメートル以下で約80キロメートル走行可能なので、そのままタイヤ店や修理工場へ駆け込むことができる。
この秋、ブリヂストン製のランフラ第3世代が新車に装着される。追って、取り替え用も発売される見通しで、タイヤ業界に久々の異変を巻き起こそうとしている。「ランフラは、1800年代に空気入りタイヤが発明されて以来の歴史的な技術進歩」と評するのは、UBS証券の松本邦裕シニアアナリストだ。
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